2010年11月30日火曜日

KNBWEBより

速報では、2名死亡と報道されていました。
CPRを行ったと救助に関わった登山者が話をされており、CPRを受けた方が亡くなったのか、意識不明の方なのかは不明。

以下、記事全文です。
 北アルプス室堂の大谷付近で雪崩があり、スノーボードとスキーをしていた男性6人が巻き込まれました。

 6人のうち、東京都の男性が死亡したほか、1人が重体、3人がけがをしました。

 上市警察署によりますと30日午前9時前、標高2400メートルの室堂の大谷付近でスキーやスノーボードをしていた男性6人グループが向かって右側の雪崩に巻き込まれました。

 雪崩の幅は80メートル長さは100メートル、崩れた雪の厚さは0.5メートルから1メートルでした。

 3人は自力で脱出し、残る3人は雪の中から発見されました。

 この雪崩で東京都世田谷区の会社員、武田悠さん(32)が死亡、長野県小谷村の会社員、磯川暁さん(33)が意識不明の重体となっているほか3人が骨を折るなどのけがをしました。

 1人は無事でした。

 けが人2人を病院に運んだ消防隊員は…「1名の方は全部埋まったそうで、近くの他のパーティーの方に救出されたそうです。もう1名の方は、首より上は出ていたみたいで、全部生き埋めにはなっていないそうです」

 県警の山岳警備隊は…横山小隊長「過去にも室堂周辺で雪崩も大きな遭難が起きていますので雪が積もった斜面は必ず雪崩が起きると考えていいと思いますので、こういう大きな斜面がある場所は特に注意しなければならない場所だと思います」

 6人は29日朝に長野県側から入山し、29日は天候が悪かったため、滑らず、室堂でテントを張って一泊したあと30日8時ごろから滑るために斜面を登っていました。

 30日、なぜこのような大規模な雪崩が起きたのでしょうか。

 このところの立山の天候は雪崩が起きやすい条件が揃っていたと見られます。

 室堂ターミナル森永浩司さん「27日は快晴だったんですが、28、29日と吹雪が続いていまして、20~30センチほど新雪が積もった形になります」「きょうの朝の状態は快晴で、視界も良好でした」「ここ2、3日は天気も悪かったので観光客も少なかったんですが、今日も最終日ということもあってお客様の姿はほとんど見られなかったです」

 立山黒部アルペンルートは30日が今シーズンの営業最終日でした。

 ただ雪のため、28日から富山県側の高原バスは終日運休し、6人は長野県側から入山しました。

 28日、29日と20センチ余り新雪が積もり、30日の室堂の積雪は1メートル80センチでした。

 立山では雪の降り始めは遅かったものの、一気に降って晴れ間が訪れるという天気が続いていたということです。

 そこに雪崩の起きる原因があったとみられます。

 カルデラ博物館の飯田さん「晴れたり急に雪が降ったりということを繰り返していると、雪の中にそういう弱い層が出来やすいんですね」「その弱い層の上に新しい雪が30センチ以上積もってですね、それで非常に不安定な状態になったところに、スキーヤー、ボーダーの方が入り込んだショックで起きた雪崩じゃないかなというふうに予想しています」「新しい雪、新雪の表層雪崩というのが起きやすくなっていたんではないかと」

 この時期の雪崩は、春先の気温が上がる時期に起きる全層雪崩とは異なり、新たに一気に降り積もった雪が古い雪の表面をすべり落ちる表層雪崩です。

 この表層雪崩は予測が難しいということです。

 また、今回雪崩が起きた場所は雪の吹き溜まりとなる場所で、非常に危険な状態になっていた可能性があるということです。

 一気に雪が降った後に起きた雪崩が大きな被害をもたらしました。

 雪崩がおきやすい気象条件への注意を、今一度思い起こさなければと感じます。