2021年3月20日土曜日

黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末” Day16

 黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末”

Day16
天気が悪い日は写真も撮ってないしFBにもアップしてないので、「天気良かったんだよね?」って思われてるので少しだけ、悪天の写真をアップ。
事実、天気が悪いと動いてないし、黒部横断なんて出来ませんから
昨夜、床に就く前までは平穏だったが、テントを叩く音で目が覚める。寒冷前線が日本海を通過し、霰が激しく降り続く。壁際に張ったテントは当然埋没→変形→除雪
除雪に出動するが夜勤手当もない。当然、驢馬は熟睡中。
我々の意図に関わらず夜は明ける
このまま、ここに停滞していても状況は改善しないのは明らかなので、少しでも良い状況に向かうべく行動開始。やっぱり、昨日賭けに打っておくべきだったな・・・
極厚のビレイジャケット、持ってきて良かったと心底思った。驢馬は寒さに打ちひしがれているが、それが驢馬の性。
3時間で本日の行動終了
昨日の反省をもとに、山城完成
Yoshiharu Kozawa、山下勝弘、他54人

2021年3月17日水曜日

黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末” Day15

 黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末”

Day15
何で今日? という日にお寝坊
大事な日にこんなことでは、剱の神様から御叱り受けることは疑いない。
明日の荒天は確実なので出来るだけ安定したところで眠りたい。過去の記憶を思い巡らせながらも、八ツ峰の美しい雪稜に足跡を刻んでいく。ラッセルからも解放され、荷を担いだままで前進できるので思いのほか順調に進んでいくが、またもや手綱に反応が・・・(中略)
事なき得、再出発。
Ⅴ・Ⅵのコルで4日ぶりに生存報告を行い、駒を前に進めることにはしたのだが、この先幕営できる場所は非常に限られる。まぁ、何とかなるだろうと前向きに考えることにするしかないだろう。ここで、幕営する選択肢はないに等しいはずなのだから。
日射でぐずぐずになった斜面を驢馬が先頭で歩きだすも、すぐに引き返してきたので蹄鉄を履き替えた馬とバトンタッチ。さすがの馬力で登り上げていく様は、サラブレッドというよりもばん馬だな。
さて、Ⅶ・Ⅷのコル。
池ノ谷乗越は眼の前だが、過去2回とも池ノ谷乗越へ逃げてきた。今回こそは主稜の完全縦走を成し遂げたい。時刻はすでに17時。このまま突っ込むとヘッドランプは間違いない。崩れそうで崩れない天気、時間との勝負だが、賭け事からは手を引いて天命を待つことにした。
黒田 誠、Yoshiharu Kozawa、他55人
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2021年3月10日水曜日

黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末” Day14

 黒部横断2021 ”18日間 隔離生活の顛末”

Day14
雪と風の力は凄まじい。
コルを削って張ったテントは風に運ばれた雪に押しつぶされそうになっていた。端っこに寝ていたYがたまらず除雪に出ようとゴソゴソ準備を始めている。
もう片方の端に寝ていたTは完全にテントの生地に挟まれて身動き出来ないようだが、うんうん唸りながらも相変わらず熟睡している。大した奴だ・・・
 記憶と現状は全く嚙み合わない。稜の左側はスッパリと切れ落ち、右側も然り。時折現れるプラトーと雪壁切れ目のブッシュを掘り出せるのが幸いである。Ⅰ峰は眼の前に見えているが、思うように進まない現状に辟易していると、絶望的ではないものの、「うぇ~」って感じのナイフリッジ。たまらず、巻く・・・
完全トレースは泡と化したが、今宵のお座りは回避。
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