2022年3月7日月曜日

黒部横断2022 Day5

 Day5

剱沢に入渓する朝

入山以来、ほとんど降雪もなく本日も安定の低気温。心配なのは、ずっと低温が続いていること。剱沢に降り立てば、逃げる場所はないだろう。

朝まで入渓出来ない理由をあれこれと思い浮かべてみるが、杞憂に終わった。おなかの調子も良いので腹を据えるしかないだろう。


昨年、ガンドウ尾根を登ったとき、「この谷に入る人は〇〇〇の回路がぶっ飛んでる」と言い放った言葉は自分自身に降りかかってきた。

トサカ尾根の初登攀は1993年。剱沢大滝の初登攀が1978年だから15年もの歳月が過ぎていた。

この空白期間が何を意味するのか?

その後、私が知る限りこの尾根を登ったのは3隊のみ。

入山前、記録の行間を読み取ることで胃が痛くなる日々を、アルコールで誤魔化していた。


谷はデブリで覆いつくされ、「ここを登れ」とトサカ尾根が手招きしている。確かに、この谷の中で人類が登ろうと思うのは、まずトサカ尾根だろう。


地形図に表された等高線は正確だった。ところどころに大木が生えており良い目印となる。次第に傾斜は大きくなり、これ以上進んではテントを張ることが難しくなるので斜面を削って幕営地とした。

十字峡の吊り橋

十字峡

剱沢からトサカ尾根

トサカ尾根取りつき

登攀中



ガンドウ尾根からのトサカ尾根


2022年3月6日日曜日

黒部横断2022 ”26年の時を超えて” Day4

 Day4

「新しい朝が来た 希望の朝だ」各々の思惑を乗せた馬車が動きだす。

2月の夜明けは早く、フライング気味に歩みを踏み出す馬2頭

 

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とある放送局からビデオカメラを渡されていた。

というか、こちらから持ち掛けたものだったが、記録映像は局内のどこかに眠っているだろうか? 撮影の素人が未知の世界に飛び込む訳だから、まともな映像が撮れてる訳もない。

十字峡への着地は慎重を期し、余裕を持って昼過ぎに行動を終えて明日に備える。

 

原始の山「黒部」とは裏腹に幕営地からは、煌々と灯る関電宿舎の灯りが闇を裂く。

「秘境黒部」は思い入れのある人達によって作り上げられた幻想だった。

かつて過ごした日高の山々、彼方に十勝平野の街明かりは見えるものの、はるかに原始の姿を残していた。秘境黒部に幻滅した瞬間だった。

 

されど、厳しさが落ちぶれる訳もなく、懸垂を交えながら川床へと下降を続ける。十字峡の下流にスノーブリッジが見え隠れする。昔の記録では十字峡に電源開発当時のワイヤーのチロリアンがあり、それを利用していたという(記憶違いか?)

他人の記録は当てに出来ない、目の前の事実と己の力量が信じる全て。

 

十字峡の岩屋を探すが見当たらず、明日の雨に備えて半雪洞にテントを張る。

 

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視界・天気とも良好、これ以上の好条件はない。

無事に対岸へと渡り、昨年同様ガンドウ尾根末端のオアシス台地で眠れない夜を過ごした。


朝焼けの剱岳

思いを馳せる

黒部の核心部へ

着地

十字峡下流

荷渡し

肉は豊富


 

2022年3月5日土曜日

黒部横断2022 ”26年の時を超えて” Day3

 Day3

深夜、おなかの中で運動会が始まる・・・

こればっかりは、Pボトル使えね~

昨夕、きっちりとキジ場とアプローチを構築していたのが功を奏する。


さて、鹿島越えの朝を迎える。

森林限界を越えたエリアでの行動時間が長くなるので、おなかの気合を入れ直す。小屋周辺はガスに覆われているが、幸い天気は好天に向かいそうだ。

樹林帯はずぼずぼで空身ラッセル

登るに従い上空からガスが切れ始め、雲海に。目指すべき剱岳は見え隠れしてきたものの、風は強く指先が凍えてくる。頂は彼方に聳え、分かってはいるものの小ピークを越えるたびに愕然とし、ピーク立たないで巻いてやろうかとあらぬ考えが頭の中を渦巻く。


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初めての黒部横断は1996年3月に遡る。

鹿島槍・東尾根を登り、十字峡~黒部別山・北尾根~源次郎尾根へと継続した。パートナーはK氏。以降、何度も横断山行を共にしたが、やはり初めての横断は印象深い。

当時は山中に食料や燃料などをデポするのが当たり前の時代。我々も疑いなくデポを行った。強風とホワイトアウトの中、這う這うの体で辿り着いた鹿島槍山頂。括り付けておいたデポを回収し牛首尾根を下るが、地形図とコンパスがあれば下降出来るというものでもない。視界が全く得られない状況で、これ以上歩くのは危険と判断して適当なところに雪洞を掘ることにした。堀り始めは順調だったものの、奥に進むにつれ氷板が現れ掘削は困難を極める。テントを張る選択肢はなく、根性で雪洞を完成させた。

このK氏、昨今は眼鏡が凍っても真眼でルートを見いだせるようになったらしい。

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「この辺だったかなぁ」と思いを巡らせながら、下降に移る。次第にガスに覆われ視界を失う。しかし、現代社会にはスマホがある。かといって、雪庇の張り出した尾根を歩くにあたって安全が担保される訳ではない。ロープを繋ぎ見えないやっかいものと対峙する。案の定、牛首山の手前で枝尾根に騙され引き込まれてしまう。これはすぐに気付いてばん馬を軌道修正。


高度を下げるにつれ視界は回復し、日射に晒され思わず「暑い!」と声が漏れる。ただ、暑いって思ったのは今山行中このときだけだったかもしれない。


順調に高度を落として、「ホテルビュー剱岳」建設

朝を迎える

布引山へ

剱岳が顔を見せる

布引山にて鹿島槍

布引山方向を振り返る

鹿島槍山頂

剱岳へ

牛首尾根にて

ホテル建設地


甲斐駒

黒部横断から中4日で甲斐駒

やはり、疲労が抜けきっていないのか?

 


山頂に向かう雷鳥の足跡

お決まりの絵

八合目
来るたびに鳥居が壊れてる

御来光を浴びながら

良い天気になりそうです

2022年3月2日水曜日

黒部横断2022 Day2

 Day2

チラチラ雪が降る中、行動開始

風もなく視界も確保できているので、これと言って問題なく高度を上げ稜線直下へ。

積雪状態に不安はないが、ロープを繋いで3pで稜線に登り詰める。

期待していた冬季小屋は閉鎖されていたので、小屋横にテントを設営する。

遥か彼方の入り口が眩い。これも昨今の登山者の不道徳行為の影響か?

昔の登山者のほうが、やりたい放題だったような気もするが・・・

差し入れのドライフルーツ

赤岩尾根

国境稜線


黒部横断2022 Day1

 今年も冬がやってくる。

行き当たりばったりの昨年とは違い、山に雪が舞い始めるころには「そろそろどうする?」って声が上がり始める。当初は5名を予定していたが、一人欠け、二人欠け・・・

クリスマス&年末寒波を経て近年ではまれな寒気が日本列島を覆っていた。2月に入ってもこの傾向は続くらしかったが、入山しないという選択肢はなかったものの、ためらう気持ちも膨れ続け葛藤の日々を過ごしていた。

 入山直前の週末、またもや大量降雪。たまたま、メンバーの都合で入山日を変更していたので降雪直後の入山は免れた。しかも、前半は好天周期に恵まれるらしい。後半の予報は相変わらず寒気の流入に警鐘を鳴らしていたが、黒部川を渡ってしまえば、引き返す選択肢はないに等しい。

Day 0

ハクバのばん馬と下山用の車デポを行い、大町へ移動

21時過ぎにハマの暴れ馬と合流


Day1

先行きは心配だが、考えても仕方がない。好天に恵まれたことに感謝して、目の前のラッセルを一歩一歩こなすのみ。

足が短いのは一目瞭然

快晴の赤岩尾根

鹿島槍ヶ岳



2022年2月6日日曜日

戸隠・本院岳ダイレクト

2週続けてのinac
今週は3年生、卒業前の最後の実習です
紆余曲折はありましたが
とりあえず山へ

表山
朝焼けがきれいでした

雲の切れ間に目指すルートが
見え隠れしてきます

埋まりきっていない沢を渡り

参道ルンぜ

D2の登攀

D2から上部を見上げる

深い雪に苦しめられます

なんだ?

残念ながら圧倒的に力不足でしたね