Day4
「新しい朝が来た 希望の朝だ」各々の思惑を乗せた馬車が動きだす。
2月の夜明けは早く、フライング気味に歩みを踏み出す馬2頭
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とある放送局からビデオカメラを渡されていた。
というか、こちらから持ち掛けたものだったが、記録映像は局内のどこかに眠っているだろうか? 撮影の素人が未知の世界に飛び込む訳だから、まともな映像が撮れてる訳もない。
十字峡への着地は慎重を期し、余裕を持って昼過ぎに行動を終えて明日に備える。
原始の山「黒部」とは裏腹に幕営地からは、煌々と灯る関電宿舎の灯りが闇を裂く。
「秘境黒部」は思い入れのある人達によって作り上げられた幻想だった。
かつて過ごした日高の山々、彼方に十勝平野の街明かりは見えるものの、はるかに原始の姿を残していた。秘境黒部に幻滅した瞬間だった。
されど、厳しさが落ちぶれる訳もなく、懸垂を交えながら川床へと下降を続ける。十字峡の下流にスノーブリッジが見え隠れする。昔の記録では十字峡に電源開発当時のワイヤーのチロリアンがあり、それを利用していたという(記憶違いか?)
他人の記録は当てに出来ない、目の前の事実と己の力量が信じる全て。
十字峡の岩屋を探すが見当たらず、明日の雨に備えて半雪洞にテントを張る。
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視界・天気とも良好、これ以上の好条件はない。
無事に対岸へと渡り、昨年同様ガンドウ尾根末端のオアシス台地で眠れない夜を過ごした。
朝焼けの剱岳
思いを馳せる
黒部の核心部へ
着地
十字峡下流
荷渡し
肉は豊富